日本では公務員によるストライキが法律で禁止されているため、鉄道ストライキは滅多に起きません。しかし、ロンドンではストライキが頻繁に発生するのが現状です。しかも、空港から市内に向かう電車が全て運休になることがあるため、観光客への影響は計り知れません。
ここでは、ロンドン地下鉄やバス、ナショナルレールにおけるストライキの予定を調べる方法を紹介します。
※この記事は2024年11月15日時点の情報を反映しています。
イギリスの地下鉄やバスは交通ストライキが多発
イギリスでは労働者による賃上げや労働環境の改善を求めたストライキが多発しています。
昔はストライキがアナウンスされても労働組合と会社の協議により中止となることが多かったのですが、最近では合意に至らずにストライキが決行され、多くのロンドン市民へ影響が出ています。
ストライキによるロンドン市民への影響は大きい
ロンドン地下鉄(London Underground)とロンドンバスを運営するのはロンドン交通局(Transport for London、TfL)です。
運営会社が同じであるものの、ロンドン地下鉄でストライキが起きた場合でもバスは通常運行もしくは本数を減らす程度、反対にバスでストライキが起きた場合は地下鉄が通常運行することで、ストライキの影響を抑えてくれるのが一般的です。
しかし、最近では地下鉄とバスの両方が同時にストライキに入る事例も散見されるようになりました。この場合は悪夢の一言です。ロンドン市内の道路は大混雑してタクシーを捕まえるのは非常に困難。通常なら30分で行ける距離が2時間かかったこともあります。最近では、ストライキがある日は在宅勤務を許す現地の会社も増えているそうです。
いずれにしても、海外の交通機関のストライキによる影響は、我々日本人が想像する以上に大きいです。
ストライキ中のヒースロー空港とロンドン市内の移動に要注意!
鉄道ストライキが起きて一番困るのは、空港とロンドン市内の移動です。
通常、ヒースロー空港から市内への移動は40分程度。しかし、ストライキが発生するとタクシーを利用しても道路混雑により1時間以上かかることが多いです。更には、タクシーが捕まらない事態も起きます。
参考までに、一昨年の6月に起きた鉄道ストライキの際に、我が家はヒースロー空港を利用しました。事前にハイヤーを予約していましたが、通常の2倍の料金を提示されて、さらに道路の渋滞でロンドン市内に出るまで1時間30分もかかりました。
工事による終日運行中止にも要注意!
日本では、鉄道の工事は深夜に行われるのが一般的です。しかし、イギリスでは週末の日中に工事が行われることが多いため、工事予定にも注意が必要です。
特に2024年に入ってから鉄道関連の工事が目立つようになってきました。オーバーグラウンドやナショナルレールで工事が行われてしまうと、目的地へ迂回ルートを使う必要が生じたり、そもそも、目的に電車で行けない事態も生じます。
Googleマップでルート検索するときは実際に移動する予定日で検索するようにしてください。
イギリスの地下鉄やバスのストライキの日程や影響を調べる方法
まず、イギリスの地下鉄やバスのストライキは数日前から2週間前に突然発表されることもあるため、事前に回避するのは難しいです。旅行中にストライキに遭遇するか否かは運次第。ストライキに遭遇してしまったら運が悪かったと思うしかありません。
ここではストライキの予定を確認する方法を紹介していきます。
ロンドン交通局の公式サイト
ストライキの日程を確認する方法の1つは、ロンドン交通局の公式サイトを見ることです。労働組合がストライキを呼びかけた時点で公式サイトに情報が掲載されます。
なお、ロンドン交通局のサイトは地下鉄に限らず、市内バスやオーバーグラウンド、ナショナルレールもカバーしてます。旅行の数日前にサイトを確認してみることを強くおすすめします。
なお、下のURLでストライキの予定や工事の予定を確認することができます。
ロンドンバスのストライキの予定
ロンドンを走るバスのストライキ予定です。
ロンドン地下鉄のストライキの予定
ロンドン地下鉄のストライキ予定です。
2024年11月のストライキ計画
2024年11月に予定されていたストライキは直前で中止となりました。ちなみに、当初想定されていたストライキによる影響は下の表の通りです。海外では本当にストライキが実施されると人々の移動に著しく影響を与えるので注意が必要です。
ロンドンの路面電車(トラム)のストライキ予定
ロンドンの路面電車(トラム)のストライキ予定です。ただし、観光客でトラムに乗る機会は珍しいと思います。事実、ロンドンに住んでから2年以上が経過しますが、トラムに乗車したことは一度もありません。
ナショナルレールの公式サイト
ナショナルレールの全般的なストライキの情報は下のページから確認できます。ストライキが予定されている時は、トップページの上部に「Industrial Action」と表示されます。なお、ストライキの他に事故や工事の情報も掲載されます。
ナショナルレールのストライキの予定
ナショナルレールのストライキ予定です。今回は、すべての路線が一度にストライキを起こすわけではなく、曜日毎にストライキが起きる路線が変わります。
スマホの地図アプリ
地図アプリはストライキの状況を踏まえた上でのルートを提案してくれます。
ロンドンの旅行中は地図アプリを片手に持っていれば、少なくともストライキの状況を踏まえた行動ができるはずです。
試しに8月19日(金)にストライキが予定されていたので、Google Map、Appleの純正マップ、Citymapperで検索してみましたが、いずれもストライキを避けるルートを提案してくれました。
ちなみに、下の画像は使用率が一番高いと思われるGoogle Mapで検索した結果です。この日は鉄道がストライキで運休となっているため、バスを使ったルートを提案してくれています。
鉄道を使ったルートは「運休」と赤字で表示されていました。
現地在住者に人気のアプリ Citymapperが分かりやすい
ストライキの情報が最も見やすかったのは「Citymapper」です。
Citymapperではルート検索の画面に目立つ形で地下鉄やバスがストライキを予定しているとのアナウンスが表示されていました。
アプリの他にもホームページもストライキの情報が掲載されています。
詳細を見ると、各日の時間帯毎にストライキの影響が顔文字で表現されています。他のアプリではこのような顔文字での表現はなく、ロンドンの交通機関のストライキ状況を把握する上で非常に分かりやすいと思いました。
Citymapper
ロンドン在住者に人気のCitymapperです。
ルート検索時に電車の運賃も表示される点も旅行者にとってありがたい機能です。
(Google MapやAppleの純正マップでは運賃は表示されません)
コメント
詳しい情報ありがとうございます。
ワーナーブラザースタジオのハリポタスタジオ見に行く予定です。国鉄がストだと全部止まると思ったら少し動いているんですねー。時間かかるけど日帰り出来そうなんですねー。
良かったです
ハリポタスタジオ!羨ましいです!
イギリスのストライキは4月に入って、度々発生するものの、マシになってきたように思います。
ただ、ストライキの情報が分かりにくいのが困りものです(泣)。