- オイスターカードの購入は必要か?
- ロンドン地下鉄の乗り方が分からない
- 地下鉄の路線図や料金がよく分からない
ここでは、ロンドン地下鉄の乗り方を詳しく解説します。
ロンドンの地下鉄はクレジットカードで乗車可能です。コンタクトレス決済(タッチ決済)対応のクレジットカードやスマホがあれば、紙の乗車券やオイスターカードは不要です。また、事前設定や専用アプリのインストールも不要です。
2024年最新のロンドン地下鉄の乗り方を解説します。
ロンドンのバスもクレジットカードで乗車可能です。ロンドンバスは下の記事をご覧ください。
ロンドンの地下鉄を使う上での豆知識
世界最古の地下鉄として有名な「ロンドンの地下鉄(アンダーグラウンド)」。また、初乗り運賃が世界で最も高額な電車としても知られています(2024年10月時点で初乗り運賃は500円を超える金額)。
2024年10月時点で11路線と272駅があり、総距離は400キロメートル。これは東京から兵庫県までの距離に相当します。
ロンドン市内の11路線をカバー
2024年10月現在、ロンドンの地下鉄は11の路線が走っています。路線ごとにテーマカラーが決まっており、例えばサークル線は赤色、ノーザン線は黒色です。
ロンドン地下鉄の料金制度はゾーン制
ロンドン地下鉄は、市内中心部から外部に向けてゾーン1からゾーン9のいずれかに区分されています。そして、乗車料金は移動したゾーンに応じて決まります。例えば、ゾーン1からゾーン2まで移動すると£2.8です。
なお、ロンドンの有名な観光スポットであるロンドンナショナルギャラリーや大英博物館、バッキンガム宮殿、セントポール大聖堂などはゾーン1かゾーン2に含まれます。
1日の乗車料金の上限が決まっている
ロンドンの地下鉄では1日あたりの乗車料金の上限が決まっています。これは「fare cap」と呼ばれています。例えば、「ゾーン1〜2」の範囲で地下鉄に何回乗っても1日の乗車料金の上限は8.5ポンド(2024年7月時点)です。
特に事前の登録などは不要です。ただし、同じクレジットカードを利用して乗車する必要があります。
ロンドン地下鉄は、乗車時と下車時に自動改札を通る
イギリスでは、日本と同様に乗車時と下車時に自動改札を通ります。日本における電車の乗り方と同じです。ただし、日本よりも改札の反応が遅いのでご注意ください。私の感覚では日本よりも2倍ぐらい反応が薄い印象です。しっかりとピッと音がなるまでタッチし続けてください。
カードのタッチを忘れた場合
改札を通る時にカードのタッチを忘れた場合、当該路線区間における最大運賃(10ポンドぐらい)が請求されます。ロンドン交通局(TfL)のサイトでアカウントを作成してカード番号を登録しておくと、自分の旅行履歴が検索できます。そして、タッチ忘れがあった場合に、正規料金を請求できるため、おすすめです。
(ただし、現在は、2024年9月に端を発した情報漏洩の問題でカード番号の登録ができません。)
リンク:TfLのアカウント登録ページ
ロンドン地下鉄の大部分でスマホの電波が入らない
ロンドンの地下鉄ではスマホの電波が入らない区間が大半です。駅構内のプラットホームも圏外となる場合が多いです。
イギリス政府は2024年末までに全ての地下鉄駅構内とトンネルの中でインターネットが使えるようにする予定です。しかし、2024年10月時点でも4割の駅やトンネルで電波が入らないのが実情です。
なお、電波に入りやすさも携帯キャリアにより異なります。日本のキャリアですと楽天モバイルは電波が通じやすくて良いですね。ヨーロッパ全体でも楽天モバイルの海外ローミングはとても優秀です。
ロンドン地下鉄のオンピーク料金とオフピーク料金
ロンドン地下鉄では、乗車した時間によって料金が異なります。通勤ラッシュの時間帯はオンピークと呼ばれ、通常よりも高い乗車料金が請求されます。
短距離の場合は問題ありませんが、例えば、ロンドン・ガトウィック空港やスタンステッド空港からキングスクロス駅といった長距離になると差額が£8を超えるため注意が必要です。事前に公式サイトでオンピーク料金とオフピーク料金を調べておきましょう。
乗車時に改札機にタッチした時間で判定
オンピークとオフピークの判定は、乗車時に改札機にタッチした時間で判定されます。例えば、乗車するため午後15時50分にクレジットカードをタッチした場合は、午後16時以降に降車した場合でも適用される料金は「オフピーク料金」です。
ロンドン地下鉄の子ども料金
ロンドンの地下鉄では子ども料金が設定されています。ここでは、日本からイギリスへ旅行で訪れる方に対象を絞って解説していきます。
11歳未満の子どもは無料
大人が同伴する場合に限り、年齢が11歳未満のお子さんは無料で乗車できます。大人1人につきお子様4名までが無料の範囲です。事前手続きは不要ですが、駅員から年齢確認された時のために身分証明書(パスポート等)を携帯しておきましょう。
子供と一緒の場合は通常の改札でも大丈夫ですが、おすすめは大きなドアが付いている改札です。通常のドアよりもゲートが長く開くように設計されています。
11歳から16歳までの子どもは割引料金が適用
年齢が11歳から16歳までの子供は割引料金が適用されます。ただし、この恩恵を受けられるのは紙の乗車券を購入する人だけです。クレジットカードやオイスターカードはペーパーレスという名目で同等の割引額が既に適用されているため、金額は変わりません。
ロンドン地下鉄は3月と10月に乗車料金が改定
ロンドン地下鉄では毎年3月と10月に乗車料金が改定されます。ただし、サディク・カーン市長がロンドン地下鉄の運賃を2025年まで凍結する旨を発表しています(ナショナル・レールの運賃を除く)。
スーツケースは無料で持ち込みできる
多くの旅行者が気にされるであろうスーツケースの持ち込みについてです。
ロンドンの地下鉄では、スーツケースを無料で持ち込むことができます。個数の制限もありません。ただし、以下のものは持ち込み禁止ですのでご注意ください。なお、ベビーカーも持ち込み可能です。
リンク:Transport for London Conditions of Carriage
ロンドンの地下鉄はクレジットカードで乗車可能
ロンドンの地下鉄は、コンタクトレス決済(タッチ決済)に対応したクレジットカードやスマホで乗れます。スマホに専用アプリをインストールする必要も紙の乗車券を購入する必要もありません。
さらに紙の乗車券よりも料金が安く設定されています。イギリスを観光するなら、絶対にタッチ決済対応のクレジットカードを持参してください。
なお、1枚のクレジットカードを複数人で使い回すことはできません。人数分のクレジットカードの用意が必要です。
オイスターカードの購入は不要
オイスターカードの買い方を解説している旅行ガイドブックや旅行サイトが多いですが、基本的に購入は不要です。最近では現地の人でオイスターカードを使っている人も大きく減りました。みんなクレジットカードやデビットカードを使って乗車しています。
オイスターカードのメリットは、券売機で紙のチケットを買うよりも半額近い料金で乗れることです。ただし、クレジットカードもオイスターカードと同じ料金体系が適用されるため、わざわざオイスターカードを購入するメリットはありません。
私もイギリスに住んで3年目に入りますが、オイスターカードを使ったのは最初の1ヶ月だけです。
タッチ決済に対応したクレジットカード
お持ちのクレジットカードに、このマークが描かれていれば、ロンドン地下鉄で使えます。日本ではVisaタッチが普及しつつありますが、イギリスではVisaに限られません。
個人的には海外の空港ラウンジを無料で使えるプライオリティパスが付帯する楽天プレミアムカードがタッチ決済に対応していておすすめです。さらに、楽天カードはApple PayやGoogle Payにも対応しています。
モバイル決済の対応状況
ロンドン地下鉄では、スマートフォンやスマートウォッチを自動改札にタッチするだけで通れます。専用アプリのインストールは不要です。但し、端末の電池の残量には注意してください。電池切れで降車時にタッチできなかった場合、その路線における運賃の上限料金(平均10ポンド)が請求されてしまいます。
日本のクレジットカードはApple PayやGoogle Payに登録するのがおすすめ
日本のカード会社は不正使用に関するセキュリティが高く、ロンドンの地下鉄にクレジットカードで乗ろうとするものの、支払いが失敗する人をたまに見かけます。
私も経験があるのですが、クレジットカードをタッチして支払いに失敗した場合、Apple PayやGoogle Payにカードを登録し直してタッチすると、支払いに成功することが多いです。
日本のクレジットカードでイギリスを旅行される際は、念のためにApple PayやGoogle Payにクレジットカードを登録しておくことをお勧めします。
ロンドン地下鉄の乗り方から乗り換え、降り方まで
ここではロンドンの地下鉄を乗る時から降りる時まで、順に従って解説していきます。
地下鉄の入り口を探す
この「UNDERGROUND」が描かれた案内板がロンドンの地下鉄の目印です。
この看板の所を降りると地下鉄の駅構内にたどり着きます。
自動改札を通る(乗車時)
地下鉄の駅についたら自動改札を通って駅の構内に入ります。右手にある黄色のカードリーダーにタッチ決済機能が付いた端末やオイスターカードを当てると「ピッ!」という音がして、改札のドアが開きます。
プラットホームへ降りる
改札口を通ったら、地下鉄のプラットホームへ向かいます。
ロンドン地下鉄のエスカレーターは速い速度で動きますので転倒しないようご注意ください。日本のエスカレーターの2倍ぐらいの速度で動きます。
電車に乗る
プラットホームに電車が入ってきたら、電車に乗り込みます。日本と同じく降りる人優先です。また、ロンドン地下鉄では車掌がおらず運転手だけのため、ドアを閉める際の安全確認が疎かになっています。結果、ドアに挟まる人を頻繁に見ますので、駆け込み乗車にご注意ください。
なお、ロンドンの地下鉄は世界最古ということもあり、空調設備がない路線もあります。夏場のこうした路線は蒸し風呂状態です(笑)。一定の覚悟をして乗りましょう。
また、開栓済みのアルコール飲料の持ち込みは法律で禁止されています。
電車を降りる
電車が駅に着くと、ドアは自動で開きます。但し一部区間や時間帯によっては、自分でドアを開けるボタンを押す必要があります。
電車の乗り換え
乗り換え時は電車からプラットホームに降りた後、落ち着いて案内板を探してください。ロンドン地下鉄の案内板は非常に充実しており、必ず見つけられます。
ロンドンの地下鉄は乗り換えに意外と時間を要します。電車自体もよく遅延が発生するので、観光の際はなるべく余裕を持って行動するよう心がけましょう。
電車を降りて駅の出口に向かう
地下鉄の駅の出口に向かう時は、電車からプラットホームに降りた後、黒色の背景に黄色で書かれた「WAY OUT」の看板を探してください。この「WAY OUT」の指示に従って歩くと、駅の出口にたどり着くことができます。
自動改札を通る(降車時)
ロンドンの地下鉄では、下車するときも自動改札を通る必要があります。乗車時と同様に黄色のカードリーダーにタッチするとドアが開き、目の前の液晶に料金が表示されます。
なお、タッチ決済を忘れると、最大運賃(平均して10ポンド弱)が請求されるます。
ピンク色のカードリーダー
ロンドン地下鉄のプラットホームで、ピンク色のカードリーダーを見かけたことがあるかもしれません。このピンク色のカードリーダーは、特にゾーン1を通らずに安い経路を選んだことを確認するために使われます。ゾーン1は運賃が高く設定されているため、ゾーン1を避けて別の経路を通ると、通常より安い運賃で移動できます。
例えば、ゾーン2や3内の駅間を移動する場合、ゾーン1を経由しないルートを選ぶときにピンクリーダーをタッチして経由地を記録することで、ゾーン1を通らないルートでの安い運賃が適用されます。タッチせずに通過すると、システムがゾーン1を通過したとみなすため、通常より高い料金が課金される可能性があります。
ピンクリーダーはあくまで「経由地を記録するポイント」なので、入場や出場ゲートでタッチする必要はありません。電車の乗り換えをした時にピンク色のカードリーダーを見かけた時にタッチすると良いと思います。
ロンドンの地下鉄を使う時の乗り換えルートの検索や料金の調べ方
ロンドンの地下鉄を利用する際におすすめのサイトやルート検索アプリを紹介します。
ロンドン地下鉄の路線図マップ
公式のロンドン交通局が提供する地下鉄の路線図マップです。ゾーン区分も記載されています。
なお、ロンドン交通局のHPでは、乗車駅と降車駅を入力すると運賃が表示されます。大人料金のほか、子供料金なども調べることができる優れものです。
アプリ:Google Map
私はGoogle Mapを使ってロンドン地下鉄の駅を調べたり、ルート検索することが多いです。
事前に地図をスマホにダウンロードすると、オフラインでもマップを確認できます。スマホの電波が入らないロンドンの地下鉄では重宝します。
また、ロンドンの地下鉄ではストライキが多発していますが、ストライキ等の理由による電車の遅延情報もリアルタイムで表示されます。
アプリ:Apple maps(アップルの純正マップ)
iPhoneユーザー限定となりますが、Appleの純正マップもおすすめです。
アプリ:Citymapper
ロンドン駐在に人気のCitymapperです。ここで紹介したアプリでは唯一、ルート検索時に電車の運賃も表示される点が特徴です。
ロンドン地下鉄の運行状況の調べ方
ロンドン地下鉄の運行状況は下のURLから調べられます。本記事を書いている現在もセントラルラインやジュビリーライン、ピカデリーラインで遅延が生じています。
リンク:ロンドン地下鉄の運行状況
最近では、公共交通機関のストライキも多く発生しています。日本では馴染みがありませんが、イギリスのストライキは広範に影響を及ぼします。昨年は空港からロンドン市内に電車で行くことができなくなる事例もありました。
ロンドン地下鉄に乗るなら知っておきたい英語表現
ロンドンの地下鉄を利用するなら知っておきたいイギリス英語の表現一覧です。日本人はアメリカ英語を学習しますので、特にTubeとかLift、Carriageは聞き慣れない単語だと思います。
コメント
はじめまして
詳しいイギリス、ロンドン事情、大変参考になりました。
オイスターカードを用意しなくて良いと言う情報もありがたかったです。
なお地下鉄では電波が通りにくいと言う事ですが、それでもスマホのタッチ決済で大丈夫なのでしょうか
物理カードでタッチした方が間違いないのでしょうか
コメント大変ありがとうございます!ブログを続けるモチベーションになります!
ロンドン地下鉄の改札は地上の出入り口付近にあるため、携帯の電波が入ることが多いです。
ただ、仮に電波が入らず圏外だったとしてもスマホのタッチ決済は問題なく使えます。
スマホはあくまで物理カードと同じで、決済情報をICチップを通じて改札機に渡しているだけです。
あとは改札機が自身のネットワークを通じてクレジットカード会社等と通信をしています。
そのため、スマホそのものがタッチ決済時にインターネットに繋がっている必要はありません。
少しでもお役に立てましたら幸いです。
早速のご返信ありがとうございます。
タッチ決済の不安も解消され、ロンドン滞在を楽しむことができそうです。
どのブログもわかりやすく、大変参考になりました!