2022年8月にイギリスのロンドン塔を観光してきました。
ロンドン塔の英語は「Tower of London」、正式名称は「Her Majesty’s Royal Palace and Fortress of the Tower of London」です(長すぎ!)。直訳すると「女王陛下のロンドン塔の宮殿及び要塞」。
ロンドン塔はこれまで国王の居城から処刑まで様々な使われ方をされ、世界遺産にも登録されている歴史的建造物です。
特にロンドン塔の処刑に関しては、ヘンリ8世の妻であるアン・ブーリンやキャサリン・ハワードが処刑された場として有名です。また、ナショナル・ギャラリーにある怖い絵画「レディ・ジェーン・グレイの処刑」で有名なジェーン・グレイもロンドン塔で処刑されています。
- ロンドン塔を観光するための事前準備
- ロンドン塔の旅行記(2022年観光)
- ロンドン塔の歴史
- ロンドン塔の見どころ①:イギリス近衛兵
- ロンドン塔の見どころ②:反逆者の門(トレイターズ・ゲート)
- ロンドン塔の見どころ③:ミディーバル・パレス
- ロンドン塔の見どころ④:ホワイトタワー(White Tower)
- ロンドン塔の見どころ⑤:アン・ブーリンが処刑された場所の記念オブジェ
- ロンドン塔の見どころ⑥:ビーチャムタワー(Beauchamp Tower)
- ロンドン塔の見どころ⑦:ロンドン塔の中の王子たち(ブラッディタワー)
- ロンドン塔の見どころ⑧:クラウンジュエル(The Crown Jewels)
- ロンドン塔の見どころ⑨:ワタリガラス
- ロンドン塔の見どころ⑩:タワーブリッジ(Tower Bridge)
ロンドン塔を観光するための事前準備
ロンドンのテムズ川沿いにある「ロンドン塔」を観光するための基本情報です。
住所、場所、行き方
住所:London EC3N 4AB(クリックするとGoogle Mapが開きます)
ロンドン中心部に位置しており、ロンドン地下鉄でもバスでも行けます。
最寄駅は「タワーヒル駅(Tower Hill station)」で、駅構内にロンドン塔の案内板がある他、駅を出るとすぐにロンドン塔が見えます。従って迷うことはありません。
営業日、営業時間
毎日営業、午前9時から午後5時30分まで
観光の所要時間
3時間程度。
バッキンガム宮殿を午前中に見て、午後にロンドン塔を訪れる人や、ロンドン塔とタワーブリッジをセットで観光する人が多いです。
チケットの売り場や買い方
当時にチケット売り場で購入することもできますが、事前にオンラインでチケットを購入しておくことをオススメします。
特に7月下旬から9月上旬は日本だけでなくイギリスも学校が夏休みとなり混雑します。
公式HPのチケット購入ページより購入できます。
入場料は2022年8月時点で大人1人あたり£29.90です。
オーディオガイドは日本語にも対応。5ポンドで借りられます
イギリス王室ゆかりの観光スポットはオーディオガイドが用意されていることが多いです。しかもどの観光スポットも日本語に対応!
観光の際はオーディオガイドをレンタルすることをオススメします。1台あたり5ポンドです。
先程のチケット購入ページからオーディオガイドも一緒にレンタルすることができます。
イギリスの歴史が分かるオススメの書籍
歴史的建造物を見学するわけですから、事前にイギリスの歴史が分かっていると、より楽しめます。嘘でも上段でもなくて観光の楽しさが100倍ぐらい変わります!!!
私は高校時代に「世界史」ではなく「日本史」を選択した人間です。そんな世界史オンチな私でも楽しく理解することができました。
「もう少しコンパクトな本が良い!」というわがままな方は下の本が良いかと思います。私は、こちらの本を読んでからイギリスに旅立ち、最近になって上の2冊を読みました。
ロンドン塔の旅行記(2022年観光)
ここからは、私が実際にロンドン塔を訪れた時の旅行記です。
ロンドン塔の歴史
ロンドン塔の歴史は11世紀、1070年代まで遡ります。ロンドン塔は1070年代に征服王ウィリアム1世によって建設が始まりました。ウィリアム1世はフランスの出身で、1066年にイングランドに侵攻、征服し、現在のイギリス王室の開祖となった人物です。
イングランドを征服したウィリアム1世がまず行ったことは、ロンドン塔の建設です。ウィリアム1世は民衆に王の権威を見せるため、ロンドンの中心部に城塞の建設を始めました。
ロンドンは当時から貿易都市として栄えていました。全く見たこともない高さのロンドン塔に当時の民衆は度肝を抜かれたはずです。
その後もロンドン塔はリチャード1世やヘンリー3世により手が加えられ、いつしか、当初の城塞から身分の高い者を幽閉し、処刑するための監獄としても使われました。
ロンドン塔の見どころ①:イギリス近衛兵
王室ゆかりの宮殿といえば「イギリス近衛兵」です。ロンドン塔も彼らが警護を行っています。
彼らは観光客のためにいるわけではなく、イギリス陸軍に属する正式な兵士です。写真を取ることは許されていますが、近寄りすぎると本気で怒られますので注意してください。
なお、衛兵交代式はバッキンガム宮殿とウィンザー城で見ることができます。私のオススメはより近い位置で見られる「ウィンザー城の衛兵交代式」です。
ロンドン塔の見どころ②:反逆者の門(トレイターズ・ゲート)
ロンドン塔に入ると、まず目にするのが、反逆者の門(トレイターズ・ゲート)です。この門はテムズ川に繋がっており、ロンドン塔に幽閉される人は、テムズ川からこの門を通り、ロンドン塔に幽閉されました。
想像以上に壮大で、かつ、怖い雰囲気を感じます。ナショナル・ギャラリーでも有名な「レディ・ジェーン・グレイ」もこの門を通ってロンドン塔に幽閉され、最後は処刑されました。
彼女は女王の座に就くも在位わずか9日間で政敵に処刑されてしまった悲劇のヒロインです。ロンドン塔には彼女の命日である2月12日前後に彼女の幽霊が出るという噂があります。
ロンドン塔の見どころ③:ミディーバル・パレス
先程のトレイターズゲートの上の部分はミディーバル・パレスとして、中世における国王が居住した宮殿の様子を見ることができます。
具体的には、ヘンリー3世(1216年〜1272年)やエドワード1世(1272年〜1307年)が使用した部屋を見ることができます。
バッキンガム宮殿やウィンザー城を見た方は、ちょっと物足りなさを感じるかもしれません。しかし、それは比べる時代が違いすぎます。ここは13世紀の時代の宮殿の様子です。
ロンドン塔の見どころ④:ホワイトタワー(White Tower)
ロンドン塔の中で一番高い建物です。ロンドン塔で一番のシンボルと言っても過言ではありません。当初は宮殿として使われ、後世では武器庫や倉庫として使われてきました。
今日のホワイトタワーでは、甲冑や武器、更に処刑された時に使われた道具が展示されています。
実際に当時に使われていたと思われる処刑の道具も展示されていました。ちなみに、当時の処刑は、一般人は絞首刑で貴族は斬首刑だったそうです。
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ロンドン塔の見どころ⑤:アン・ブーリンが処刑された場所の記念オブジェ
「レディ・ジェーン・グレイ」と同じく、ロンドン塔で処刑された有名な人物として「アン・ブーリン」が挙げられます。
アン・ブーリンはヘンリ8世の2番目の王妃でした。ヘンリ8世が後の王妃「ジェーン・シーモア」と再婚するために冤罪をでっち上げられ処刑されたと言われています。
そのアン・ブーリンが処刑されたとされる場所に記念オブジェが置かれています。
アン・ブーリンもロンドン塔に出る幽霊として有名で、頭のないアン王妃の幽霊が、この場所を徘徊する姿が目撃されています。
なお、ヘンリ8世は生涯に妻が6人もいたとされ離婚と再婚を繰り返していました。そんなヘンリ8世の生活ぶりを知るなら、ハンプトンコートパレスを訪れてみることをオススメします。
なお、ヘンリ8世の5番目の妻「キャサリン・ハワード」もロンドン塔で処刑されています。キャサリン・ハワードが処刑されたとする場所は、アン・ブーリンの記念碑の真後ろに位置する広場。
キャサリン・ハワードの幽霊はロンドン塔よりも、ヘンリ8世と過ごしたハンプトンコート宮殿での目撃情報が有名です。
ロンドン塔の見どころ⑥:ビーチャムタワー(Beauchamp Tower)
ロンドン塔の中にある監獄として使われた場所です。ロンドン塔は900年以上に亘り、「国家を脅かす者」を幽閉する牢獄や処刑場として使用されました。
監獄として使われたビーチャムタワーでは、囚人たちの残した文字や図柄が見られます。中は展示用に改装されていますが、当時の監獄としての雰囲気も残っており、ちょっと怖いです。
ロンドン塔の見どころ⑦:ロンドン塔の中の王子たち(ブラッディタワー)
時は1483年に遡ります。1483年の4月、エドワード4世が41歳で病死し、息子のエドワード5世(12歳!)が即位し、弟のヨーク公リチャードが王位を継ぎロンドン塔に入りました。
しかし、その数カ月後に叔父のリチャード3世が突如として異を唱え、エドワード5世とその弟をロンドン塔に幽閉し、リチャード3世として王位に就きます。
そして、その後、ロンドン塔に幽閉された幼い兄弟を見た人は2度と現れませんでした。一説には、叔父のリチャード3世により殺害されたとされ、実際に1674年に2人分の子どもの骨がホワイトタワーの近くで見つかっています(二人の遺骨である証拠は見つかってません)。
そんな怖い話が漂うブラッディ・タワーでは、悲しげに泣く二人の男の子の幽霊が目撃されるとか。
ジョン・エヴァレット・ミレー作「ロンドン塔の中の王子たち」
(ミレー作:「Princes in The Tower」ロンドン大学ロイヤル・ホロウェイ校収蔵)
イギリス人画家のジョン・エヴァレット・ミレーが描いた「ロンドン塔の中の王子たち」の絵画です。ミレーは19世紀の画家ですので、この絵画は肖像画ではなく、イメージ画です。
イギリス人画家「ミレー」といえば「オフィーリア」が代表作です。ロンドンのテート・ブリテンで見ることができます(私は改装中で見れませんでしたけどね(泣))。
ロンドン塔の見どころ⑧:クラウンジュエル(The Crown Jewels)
ロンドン塔における一番の混雑スポットです。特に午後2時から4時頃は1時間近くの大行列です。
ここには、イギリス王室の宝物殿となっており、イギリス女王の戴冠式で用いられる実物の宝器が置かれています。例えば、実際に用いられた下のようなイギリス王室の宝器が所狭しと並んでいます。
- 大英帝国王冠(インペリアル・ステート・クラウン)
- 王笏(おうしゃく。杖です)
- 宝珠
- 剣
- 王妃のドレス
特に「世界最大のダイヤモンド」が用いられた大英帝国王冠と王笏は見応えがありました。なお、内部は警備上の問題で写真撮影、携帯の使用禁止です。
ロンドン塔にある世界最大のダイヤモンド
南アフリカのカリナン鉱山で見つかった3,106カラットのダイヤモンドが世界最大と言われています(2,600億円以上の価値があるとか)。
この世界最大のダイヤモンドは当時の英国王エドワード7世に献上され、その後の加工により、9つの大きな石と96個の石に分けられました。
そのうち、一番大きい530カラットのダイヤモンドが英国王室の王笏(おうしゃく、杖)に、二番目に大きい317カラットのダイヤモンドは大英帝国王冠に納められています。
いずれもロンドン塔のクラウンジュエル(The Crown Jewels)で見ることができます。
ロンドン塔の見どころ⑨:ワタリガラス
ロンドン塔にいるワタリガラスも必見です。
ロンドン塔のカラス「王国崩壊の伝説」
ロンドン塔にはワタリガラスが一定数飼育されています。
これはチャールズ2世(1630年〜1685年)の時代に、占い師が「カラスがいなくなるとロンドン塔が崩れて英国が滅びる」と予言したことによります。また、有名なアーサー王伝説でもアーサー王がワタリガラスに姿を変えられてしまった話が登場しています。
このように、ワタリガラスはイギリス人にとって重要な動物です。そのため、ロンドン塔では「レイヴンマスター」と呼ばれる役職の人が今でも一定数のワタリガラスを飼育しています。
日本人が見慣れたカラスよりも大きいので驚くと思います。
ロンドン塔の見どころ⑩:タワーブリッジ(Tower Bridge)
余談ですが、ロンドン塔からタワーブリッジを見渡せます。私が訪れた日は天気も良く、テムズ川に立つタワーブリッジが写真映えしていました。
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