イタリアのルネサンスといえば、フィレンツェとヴェネツィア。
そして、フィレンツェに観光に行ったら、ほぼ全員が訪れるのがウフィツィ美術館です!
ルネサンス期の有名作品や見どころ作品がずらりと並んでおり、とても1日では見終わりません。
短い観光時間の中で、効率的に見て回るなら現地ツアーの活用がおすすめです。
- ウフィツィ美術館は混雑必至!効率的に見どころ作品を見るなら現地ツアー!
- ルネサンス絵画の宝庫!美術史の歴史本を読んでおくと更に楽しめる!
- 2021年より地図の間(The Terrace of the Geographic Maps)が公開再開!
- 世界最古の美術館の1つであるウフィツィ美術館
- ウフィツィ美術館を訪れるための基本情報
- ウフィツィ美術館を効率的に見て回るなら現地ガイドを申し込もう
- ウフィツィ美術館を訪れるなら事前に読んでおきたい本
- 個人的ピックアップ:ウフィツィ美術館の有名作品、見どころ作品
世界最古の美術館の1つであるウフィツィ美術館
ウフィツィ美術館は1951年に公開、近代式の美術館として世界最古の1つと言われています。フランスのルーヴル美術館の開館は1793年、ロンドンのナショナルギャラリーは1824年の開館です。
こうして見比べてみると、ウフィツィ美術館の歴史の長さが際立っています。
ウフィツィ美術館を訪れるための基本情報
フィレンツェのウフィツィ美術館を訪れるなら事前に知っておきたい情報を紹介します。
住所、場所、行き方
住所:Piazzale degli Uffizi, 6, 50122 Firenze FI, Italy
(クリックするとGoogle Mapが開きます)
ウフィツィ美術館は、サンタ・マリア・ノヴェッラ駅から徒歩で16分です。お隣の建物であるヴェッキオ宮殿や徒歩2分のヴェッキオ橋と一緒に観光すると良いと思います。
入館料、チケットの予約方法
ウフィツィ美術館は混雑必至の超人気観光スポットです。
事前に時間が指定された優先入場のチケットをオンラインで予約することをオススメします。
なお、後述する現地ツアーでは、チケットの手配は業者が行ってくれるので簡単です。
入場の時間枠は15分間隔です。
- 大人1人あたり€12
- 18歳未満は入場無料(パスポート等の年齢が分かるものの提示が必要)
オンライン予約:(公式サイト)ウフィツィ美術館
予約料として€4が加算されるのでご留意ください。
営業時間
年末年始は12月25日、1月1日が休館日です。
また、毎週月曜日が休館日ですので、観光する時はご注意ください。
- 火曜〜日曜:午前8時15分〜午後6時30分
- 毎週月曜日が休館日
日本語の音声ガイド(オーディオガイド)の用意あり
ウフィツィ美術館ではオーディオガイドを€6で借りられます。
なお、音声ガイドを借りる際は、パスポートを預ける必要があるので、パスポートを忘れずに。
日本語にも対応していますので、現地ツアーを使わずに1人で観光する時はオーディオガイドを活用すると絵画の背景が詳しく分かってとても楽しい時間を過ごせます。
観光の所要時間(滞在時間)は最低3時間
休日や平日に関係なく、ウフィツィ美術館はかなりの人で混雑しています。特に有名な作品の前には多くの人が群がっていますので、1つ1つの作品を見るだけでも意外と時間を使います。
最低でも所要時間(滞在時間)は3時間を見ておいた方が良いかと思います。
ただし、絵画が好きな人は2日でも3日でも見てられます。
ウフィツィ美術館は写真撮影が可能
ヨーロッパの美術館は写真撮影ができる美術館とできない美術館があります。
ウフィツィ美術館は写真撮影可です。ただし、フラッシュ撮影は禁止ですので、ご注意ください。
ウフィツィ美術館を効率的に見て回るなら現地ガイドを申し込もう
海外の美術館を見て回るなら現地オプショナルツアーの利用がおすすめです。
事前に調べた見どころ作品や有名作品のリストを片手に美術館を見て回る人が多いと思うのですが、海外の美術館ははっきり言って広すぎます(汗)。
日本と異なり見学ルートも決まってなかったりしますし、作品の設置場所が変更されることも日常茶飯事ですので、該当作品を探すだけで日が暮れます。
「あの作品を見忘れたっ!」とか「この作品を見ておけば良かった(泣)」なんてならないためにもオプショナルツアーで現地ガイドを申し込むのも良いと思います。
今回、我が家ではVELTRAのオプショナルツアーで現地ガイドを利用しました。
見どころ作品や有名作品を中心に効率的に見て回ることができて本当に助かりました。
一般的な書籍には描かれていないような豆知識もたくさんあって、とても楽しめました。
ウフィツィ美術館を訪れるなら事前に読んでおきたい本
西洋絵画に見識が深い方であれば問題ありませんが、絵画を初めて目にする方は、インターネットで有名作品や見どころ作品を調べるよりも、事前に絵画に関する本を1〜2冊で構わないので読んでおくことを強くオススメします。
ウフィツィ美術館には書籍に掲載されるような有名作品ばかりです。
「あの本で読んだ作品だ!」とか「この本で解説されていた画家の作品だ!」となること間違いなしです!
絵画全体の歴史について学んでおくならこの本
この2冊は特におすすめしたい本です。
宗教画、神話画、風俗画、印象画の大枠を掴むことができます!
ウフィツィ美術館は特に宗教画と神話画がメインですので、この2章をじっくりと読んでおきましょう。
とりあえず絵画に興味を持ってみたいならこの本
上記本よりも、より初心者向きです。
面白く書かれていますので飽きずに読むことができます。
とりあえず、絵画に興味を持ってみたいという人におすすめしたい本です。
個人的ピックアップ:ウフィツィ美術館の有名作品、見どころ作品
ここからは、ウフィツィ美術館で個人的に良かった作品、面白かった作品を紹介していきます。
イタリアのルネサンス期の名画のオンパレードでした!
ウフィツィ美術館といえば聖母子の絵画
キリスト教の宗教画の中で最も多く描かれた主題の1つが「聖母子像」です。
聖母子像とは聖母マリアがイエス・キリストを腕に抱いた構図の絵画のことです。
また、ルネサンス期前後で描かれ方が大きく違うため、美術史の教科書でもよく題材にされています。
ルネサンスとは、15〜16世紀にイタリア、特にフィレンツェを中心に起きた人間中心主義的な表現運動のことです。
ルネサンス期以前は、超人的で人間味が感じられない聖母子が描かれたのに対して、ルネサンス期に入ると母親の表情だったり、人間味が感じられる聖母子画が多く制作されました。
ウフィツィ美術館では、そんなルネサンス初期の聖母子画を見られます。
チマブーエ「サンタ・トリニタの聖母」
まずは、ルネサンス最初期の画家「チマブーエ」の聖母子画です。イエス・キリストが真っ直ぐに正面を向いていて、聖母マリアともに人間としての感情があまり感じられません。
なんというか、現実感がなく非常に神々しい存在に見えます。
ちなみに物を立体的に描く遠近法はルネサンス期に大きく発展しました。本作品を見ると、人物には全く立体感が感じられませんが、台座には遠近法の面影を見ることができます。
- 作者:チマブーエ(後述するジョットの師匠と考えられている)
- 製作年:1283-1291年
ジョット「荘厳の聖母(オニサンティの聖母)」
次に、チマブーエの弟子で、ルネサンス絵画の始祖とも呼ばれているジョットの作品です。先程の作品と比べると、人物にも立体感が出ていて丸みを帯びてきているのが分かるかと思います。
まだ顔の表情は固いですが、立体的に描かれていることから人としての質量感というか重みが感じられます。
- 作者:ジョット(1267-1337)
- 製作年:1310年頃
ちょっと横道にそれますが、個人的に好きな聖母子画はロンドンのナショナルギャラリーにあるマザッチオの「聖母子と天使」(下の画像)です。
製作は1426年で、聖母マリアの表情に人間らしさが感じられるとともに、イエスがぶどうを頬張っている場面がなんとも人間味溢れている感じがして好きです。
フィリッポ・リッピ「聖母子と二天使」
フィリッポ・リッピは、漫画「テルマエ・ロマエ」を描いたヤマザキマリいわく「『自分の愛する人』しか綺麗に掛けない画家、恋するお坊さん」(ヤマザキマリの偏愛ルネサンス美術論、集英社新書)。
フィリッポ・リッピは、自分の妻ルクレツィアと子どもをモデルに本作品を描いたと言われています。もはや神々しさよりも自身の幸せな家庭を描いた絵にしか見えません。
これまでの作品と見比べても人間らしさが段違いです。
- フィリッポ・リッヒ(1406年-1469年頃)
- 製作年:1450年-1465年頃
フィリッポ・リッピ「聖母戴冠」
こちらも同じくフィリッポ・リッピの作品。
聖母戴冠とは、聖母マリアが死後、その肉体と霊魂が天に召されて神の救いにあずかり、天国で戴冠された話のことです。
中央の上部に描かれている青色と赤色の服を着た人物が聖母マリアです。
- フィリッポ・リッヒ
- 製作年:1439年-1447年
この作品はフィリッポ・リッピの自画像が描かれていることで有名です。左側で頬に手をついてこちら側を見ている男性がフィリッポ・リッピです。
シモーネ・マルティーニ「受胎告知」
シモーネ・マルティーニはフィレンツェの近くの街「シエナ」出身の画家です。
ルネサンス期以前のゴシック絵画の作品と言われています。
「受胎告知」も宗教画で良く描かれる場面の1つで、大天使ガブリエルが聖母マリアにイエス・キリストを妊娠した旨を告げる場面のことです。
大天使ガブリエルの衣服をじっくりと観察してみると、きめ細やかに服の模様が描かれていることが分かります。見事な金細工で絵画というよりも工芸品の域です。
- 作者:シモーネ・マルティーニ(1284年頃-1344年)
- 製作年:1310年頃
ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノ「東方三博士の礼拝」
聖母子や受胎告知とあわせて多く描かれたのが「東方三博士の礼拝」です。
東方三博士の礼拝は、フィリッピ・リッピ、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ボッティチェリ、ベラスケス、デューラー等、時代を問わず多くの画家が描いています。
東方三博士の礼拝は、イエスが誕生するにあたり、東方から3人の王が神に導かれてイエスのもとにやってきたという話です。
画面の左側にいるのが聖母マリアと、イエス・キリストです。そして、その元にいる人物が東方からやってきた3人の王です。
- ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノ
- 1423年
サンドロ・ボッティチェリ
サンドロ・ボッティチェリは、フィリッポ・リッピの弟子で、盛期ルネサンス時代の画家です。
日本でも知名度が大きいルネサンス時代の画家です。
ウフィツィ美術館にはボッティチェリの有名作品がずらりと並べられています。
ヴィーナスの誕生
「ヴィーナスの誕生」は、ウフィツィ美術館でいちばん有名な作品といっても過言ではありません。こちらは宗教画ではなくギリシャ神話を元にした神話画です。
女神ヴィーナス(アフロディーテ)は愛と美と豊穣の神です。本作品では、ヴィーナスが、左側の西風の神「ゼピュロス」によってキプロス島に運ばれている様子が描かれています。
なお、右側でヴィーナスを出迎えてくれているのが季節の女神「ホーラ」です。
- 作者:サンドロ・ボッティチェリ
- 製作年:1483年頃
本作品とあわせて見ておきたいのが、ウフィツィ美術館の「トリブーナ」の部屋に飾られている「メディチのヴィーナス」です。紀元前1世紀頃の作品と見られていて、この時代から恥じらいのヴィーナスの格好がありました。
ただし、メディチ家がこのヴィーナス像を購入したのは、ボッティチェリが「ヴィーナスの誕生」を描いた時よりも後のことなので、ボッティチェリはこの像を参考に「ヴィーナスの誕生」を描いたわけではないそうです。
春(プリマヴェーラ)
もう一つ、ウフィツィ美術館の見所作品として欠かせないのが、同じサンドロ・ボッティチェリによる「春(プリマヴェーラ)」です。
右側から見るのが正解だそうですが「なんのこっちゃ?」という第一印象を持った作品。というのは、神話の登場人物がたくさん描かれているものの、作品のテーマや主題が私には全く分かりませんでした。
事実、専門家の間でも描かれている人物像やストーリーには様々な解釈があるそうです。
ちなみに足元に描かれている花は190種類を超えているそうで、うち130種類はどの花なのか特定されているそうです。それだけの種類の花を正確に描いたことにびっくりです。
- 作者:サンドロ・ボッティチェリ
- 製作年:1482年頃
チェステッロの受胎告知
サンドロ・ボッティチェリの受胎告知です。
大天使ガブリエルにイエス・キリストを身ごもっていることを伝えられて、聖母マリアがむちゃくちゃ驚いています。ここまで身体を大きくのけぞらせるのは、さすがにやりすぎな気もします(笑)
- 作者:サンドロ・ボッティチェリ
- 製作年:1489年
マニフィカートの聖母
こちらは、サンドロ・ボッティチェリが描いた聖母子画です。
聖母マリアが右手でノートに書いているのは「マニフィカート」。受胎告知を受けたことをマリアが神に感謝する賛美歌です。
そして、イエス・キリストが左手に持っているのはザクロの実です。ザクロが意味しているのは、「キリストの苦難と復活の象徴」や「豊穣」を意味しています。本作品に限らず、ザクロは多くの聖母子画で登場しています。
- 作者:サンドロ・ボッティチェリ
- 製作年:1481年頃
パオロ・ウッチェロ「サン・ロマーノの戦い」
こちらは、サン・ロマーノで起きたフィレンツェ共和国軍とシエナ共和国軍の戦いを描いたもの。
実は3部作で、ロンドンのナショナル・ギャラリーにも同テーマの作品があります。そして3つ目が置かれているのはルーヴル美術館。時系列的には「ナショナルギャラリー」⇒「ウフィツィ美術館」⇒「ルーヴル美術館」の順番だそうです。
パオロ・ウッフェロは遠近法の魅力に囚われ過ぎた画家として知られています。画家というよりも数学者として捉えられていた時期もあり、本作品の帽子を見ると、まるでコンピュータ・グラッフィックで描いた立体的な帽子!
この時代に、こんな3Dモデル的な帽子を描いたことに驚きです!
- 作者:パオロ・ウッチェロ
- 製作年:1435-1460年
イタリア・ルネサンスの3大巨匠
ルネサンス期の3大巨匠といえば「レオナルド・ダ・ヴィンチ」、「ミケランジェロ」、「ラファエロ・サンティ」の3人です。絵画に疎い人でも一度は聞いたことのある名前だと思います。
ウフィツィ美術館では、3名の有名作品を見ることができます。
レオナルド・ダ・ヴィンチ「受胎告知」
まずは、レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた「受胎告知」。2007年に日本に初上陸したこともあり、とても有名な作品の1つです。
この作品は一種の騙し絵みたいになっていて、真正面から見るのではなく、斜め右側から眺めるのが正しい見方です。真正面から見ると聖母マリアの腕が長く見えたり、大天使ガブリエルと聖母マリアが座る椅子の位置がズレているように見えます。
見る人の位置まで考えて制作しているあたり、さすがは天才「レオナルド・ダ・ヴィンチ」です。
ちなみにレオナルド・ダ・ヴィンチは黄金比を多用した美術家としても知られています。実はキャンバスの縦と横の長さが黄金比になっていて、大天使ガブリエルや聖母マリアの位置も黄金比が考慮されているそうです。
遠近法も取り入れられていて、奥行きも感じられる作品です。
- 作者:レオナルド・ダ・ヴィンチ
- 製作年:1472-1475年頃
ラファエロ・サンティ「ヒワの聖母」
最後に3大巨匠の「ラファエロ・サンティ」が制作した「ヒワの聖母」です。ラファエロは短命の画家で37歳という若さでこの世を去っています。
ただ、37年間のうちに制作した作品数は膨大な数を誇り、彼が描いた絵画は120点を超えているとか。
とんでもない才能ですね。
「イエス・キリストが2人いる!?」と思われた方、描かれている子どもはイエス・キリスト(右)と洗礼者ヨハネ(左)です。なぜ「洗礼者」と呼ばれるかといえば、イエスらの洗礼をした人だからです。
そして洗礼者ヨハネが手に持っているのが「ゴシキヒワ」という鳥。ゴシキヒワはイエス・キリストが磔刑となった時に、キリストの元に舞い降りてきて茨の冠から棘を抜いたと言われています。
この時に、キリストの血がかかって頭が赤くなったとか。
- 作者:ラファエロ・サンティ
- 製作年:1505年〜1506年頃
ラファエロ・サンティ「マッダレーナとアーニョロ・ドーニの肖像画」
ラファエロの代表作の1つ「マッダレーナ・ドーニの肖像画」と「アーニョロ・ドーニの肖像画」です。
アーニョロ・ドーニの旧姓はストロッツィで、フィレンツェのメディチ家と覇権争いを繰り広げた名門の出身です。構図がレオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」とそっくりですよね。
実際、ラファエロは「モナ・リザ」を意識して本作品を描いたと言われています。ただ、モナ・リザの微笑と比較すると、不機嫌な表情に見えるのは私だけでしょうか(笑)。
- 作者:ラファエロ・サンティ
- 製作年:1506年頃
ミケランジェロ「聖家族」
先程のマッダレーナ・ドーニとアーニョロ・ドーニの結婚を記念して描かれた作品です。
中央に描かれているのは、聖母マリアとナザレのヨセフ、そして幼児のイエス・キリストです。この絵画は絵もさることながら、額縁も要注目です!
この額縁は当時のまま残っていて、ミケランジェロの意向が反映されていると言われています。かなり豪華ですよね。
- 作者:ミケランジェロ
- 製作年:1507年頃
ティツィアーノ「ウルビーノのヴィーナス」
こちらは、イタリアの盛期ルネサンス期の巨匠「ティツィアーノ」が描いた「ウルビーノのヴィーナス」です。この絵画はウルビーノ公爵グイドバルド2世の依頼によって描かれたと言われています。
そして、公爵の年若い花嫁となったジュリア・ヴァラノへの「教育」を念頭に置いた作品とも言われています。つまり、「女性たるもの、こうであれ!」みたいなメッセージでしょうか。
- 作者:ティツィアーノ
- 製作年:1538年頃
余談ですが、ヴィーナスが横たわる姿で描かれたのは、同じルネサンス期の画家であるジョルジョーネが描いた「眠れるヴィーナス」が初めてと言われています。
ただ、ジョルジョーネは本作品を製作途中に亡くなり、ティツィアーノが加筆して完成したそうです。
この「眠れるヴィーナス」はドイツのドレスデンにある「アルテ・マイスター絵画館」で見られます。
- 作者:ジョルジョーネ
- 製作年:1510年頃
そんな横たわるヴィーナスシリーズですが、350年後のエドゥアール・マネの代表作「オランピア」に引き継がれています。「オランピア」はフランスのオルセー美術館で見ることができます。
こうやって各作品の相互関係を見ていくのも西洋画の楽しみの1つです。
- 作者:エドゥアール・マネ
- 製作年:1863年
イタリアのバロック期の巨匠「カラヴァッジョ」
イタリアでは16〜17世紀に入るとバロック美術が栄えます。バロック期の作品の特徴は、ルネサンス以上に自由な構成や強い躍動感、ドラマティックな作風が感じられることです。
ウフィツィ美術館では、バロック期の巨匠「カラヴァッジョ」の作品も多く展示されています。
バッカス
ギリシャ時代のお酒と豊穣の神「バッカス」を描いた作品です。バッカスは、神話画でよく描かれる人物の1人です。
この作品では籠の中に腐敗したリンゴや潰れて中身が飛び出しているザクロが描かれているのが特徴で、「お酒の神でもあるので、単にりんごが発酵している様を描いている」という説や「人間の腐敗を意味している」という説が指摘されています。
- 作者:カラヴァッジョ
- 製作年:1596年頃
メデューサ
こちらもカラヴァッジョの作品で、ギリシャ神話のメデューサを描いた絵画です。
ギリシャ神話において、メデューサは英雄ペルセウスによって首を切り落とされて退治されました。
この作品、近寄ると分かるのですが、マジで目がリアルすぎて怖いです。
- 作者:カラヴァッジョ
- 製作年:1595-1596年
ウフィツィ美術館の地図の間(The Terrace of the Geographic Maps)
20年近く修復中だったウフィツィ美術館の地図の間(The Terrace of the Geographic Maps)が公開を再開しています。
16世紀頃のトスカーナ地方の地図を見ることができます。これ、大きい地図が描かれた紙ではなくて、壁に直接描かれている地図を見ることができます。
部屋の3面に描かれており、当時のトスカーナ地方の隆盛が感じられます。
ウフィツィ美術館の廊下に描かれた見事なグロテスク様式
ウフィツィ美術館の廊下に描かれているグロテスク様式の模様もお忘れなく!ここでの「グロテスク」とは古代ローマを期限とする異様な人物や動植物を曲線と一緒に描いたものを指します。
決して、気持ち悪いの意味ではないのでご注意を!
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