年会費無料の楽天カードに付帯する海外旅行保険が改悪されてしまいました。特に、2020年10月に実施された利用付帯条件の改悪は影響が大きく、楽天カードの海外旅行保険は使いづらいものになっています。一方で、楽天プレミアムカードは改悪されずに補償内容を維持しており、相対的に価値が高まっています。
これは楽天カードに限った話ではなく、他カード会社が発行する年会費無料のクレジットカードでも同様の事態が起きています。この記事では、最近の楽天カードにおける海外旅行保険の改悪内容と影響について紹介します。
- 楽天カードは2020年10月と2022年6月に補償内容や付帯条件を改悪!
- 唯一の改善点は賠償責任の保険金額が2,000万円から3,000万円に増額されたこと!
- 最近の改悪で楽天プレミアムカードの価値は更に向上!
楽天カードの海外旅行保険の改悪内容と影響
楽天カードに付帯する海外旅行保険は、2020年10月と2022年9月に補償内容や付帯条件が改悪されています。ここでは具体的な改悪内容と影響を紹介していきます。
2020年10月:利用付帯の条件が変更、補償が適用されるためには
クレジットカードに付帯する海外旅行傷害保険には、「自動付帯」と「利用付帯」の2種類があります。
「自動付帯」とはクレジットカードを持っているだけで適用される保険のこと。特別な申込手続きは不要です。一方、「利用付帯」は当該クレジットカードを用いて一定の旅費等を支払うことを条件に適用される保険のことです。年会費無料の楽天カードは、従来より利用付帯でしたが、対象となる支払いの範囲が狭くなりました。
適用条件 | 内容 |
---|---|
自動付帯 | クレジットカードを持っているだけで保険適用 |
利用付帯 | 条件を満たす一定の旅費等をクレジットカードで支払うことで保険適用 |
「募集型企画旅行」と「自宅から出発空港までの交通費」
2020年10月の改悪前は、日本を出国する以前に「公共交通常用具」または募集型企画旅行の料金を楽天カードで支払うことで保険の補償が受けられました。特に「公共交通常用具」の条件を満たすのは非常に簡単。自宅から空港までの電車やバス代を楽天カードで支払うだけでした。
しかし、今回の利用付帯条件の改悪により、「自宅から出発空港までの交通費」が利用条件から外されました。今後、楽天カードの海外旅行傷害保険で補償を受けるためには、「募集型企画旅行の料金」を楽天カードで日本出国前に支払う必要があります。
(リンク:楽天カード公式 海外旅行傷害保険の利用条件変更)
航空券だけの購入は利用付帯を満たさないことが多い
この「募集型企画旅行の料金」の条件を満たすのは大変です。航空券を購入しただけでは条件を満たさないことが一般的です。例えば、ANAやJALのサイトで一般の航空券をを購入しても「募集型企画旅行」には該当しません。もちろん、SkyScannerで格安航空券を購入した場合も条件を満たしません。
「募集型企画旅行」に該当する例として、旅行代理店のパッケージ旅行が挙げられますが、これも商品によって条件を満たしたり満たさなかったりします。それだけややこしいのが「募集型企画旅行」です。
自分の計画している旅行が募集型企画旅行か否かの判断は本当に難しいため、海外旅行保険の利用付帯を満たすか否かは、必ず利用予定の旅行代理店に確認することをおすすめします。インターネット上の口コミや評判などの記載も当てになりません。
2022年6月:補償対象から携行品損害が除外
楽天カードの海外旅行保険は、2022年6月にも改悪されています。具体的には、携行品損害が補償対象から除外されました。携行品損害とは、海外旅行中に持ち歩いている荷物や貴重品が盗難や紛失などによって損害を受けた場合に補償されるものです。
これまでの楽天カードの海外旅行保険では、利用付帯の条件を満たしていれば、1人あたり最大30万円まで補償を受けることができました。しかし、今回の改悪により、海外旅行中に持ち歩いている荷物や貴重品が盗難や紛失した場合の補償がなくなり、大きなデメリットとなっています。
(リンク:楽天カード公式 海外旅行傷害保険の補償内容変更)
現在の楽天カードの補償内容(2024年7月時点)
以上にように、楽天カードの海外旅行保険は何度か改悪され使い勝手が悪くなっています。現在(2024年7月末時点)の楽天カードに付帯する海外旅行傷害保険の補償内容は次の表のとおりです。
保険の種類 | 保険金額 | 楽天カードの場合 |
---|---|---|
保険の有効条件 | ー | 利用付帯 |
傷害死亡・後遺障害 | 最高額 | 2,000万円 |
傷害治療費用 | 1事故の限度額 | 200万円 |
疾病治療費用 | 1疾病の限度額 | 200万円 |
賠償責任(自己負担額なし) | 1事故の限度額 | 3,000万円 |
携行品損害 | 年間限度額 | – |
救援者費用 | 年間限度額 | 200万円 |
楽天プレミアムカードは改悪されずに補償内容を維持し価値が向上
楽天カードの海外旅行保険が改悪された一方で、楽天プレミアムカードは補償内容や条件を維持しており、利用価値がさらに高まっています。楽天プレミアムカードは年会費が11,000円(税込)ですが、補償内容が充実しており、特に海外旅行好きの方にはおすすめです。
特に、楽天プレミアムカードの海外旅行保険は、利用付帯ではなく、クレジットカードを所持しているだけで補償が受けられる自動付帯がついています。補償の上限金額も同価格のクレジットカードの中では高額に設定されています。
加えて、楽天プレミアムカードの海外旅行傷害保険は、利用付帯の条件も満たすと、保険金額の上限が引き上げられる特典が付いています。利用付帯の条件は「募集型企画旅行」か「自宅から出発空港までの交通費」のどちらか一方を、日本出国以前に楽天プレミアムカードで支払うだけです。
楽天プレミアムカードの補償内容
楽天カードや楽天ゴールドカードと比較した楽天プレミアムカードの補償内容は次の表のとおりです。年会費有料のクレジットカードということもあり、旅行者にとって十分な補償内容といえます。
保険の種類 | 保険金額 | 楽天カード | 楽天ゴールドカード | 楽天プレミアムカード |
---|---|---|---|---|
保険の適用条件 | ー | 利用付帯 | 利用付帯 | 自動付帯+利用付帯 |
傷害死亡・後遺障害 | 最高額 | 2,000万円 | 2,000万円 | 合計5,000万円 自動4,000万円 利用1,000万円 |
傷害治療費用 | 1事故の限度額 | 200万円 | 200万円 | 自動300万円 |
疾病治療費用 | 1疾病の限度額 | 200万円 | 200万円 | 自動300万円 |
賠償責任(自己負担額なし) | 1事故の限度額 | 3,000万円 | 3,000万円 | 自動3,000万円 |
携行品損害 | 年間限度額 | – | 20万円(自己負担額3,000円) | 合計50万円 自動30万円 利用20万円 |
救援者費用 | 年間限度額 | 200万円 | 200万円 | 自動200万円 |
楽天プレミアムカードは海外旅行好きにおすすめのカード
楽天カードの海外旅行保険が使いづらくなったことで、楽天プレミアムカードの利用価値がさらに高まりました。楽天プレミアムカードは、補償内容が充実しているだけでなく、海外旅行中に便利な特典も多く提供しています。特に空港ラウンジが無料で使えるプライオリティパスは利用勝手が大きいです。
楽天プレミアムカードの年会費11,000円(税込)は一見すると高く感じるかもしれません。しかし、その年会費を超えるメリットが享受できる最強のクレジットカードです。
もし、旅行をよくする方であれば、楽天プレミアムカードを検討してみてはいかがでしょうか。
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